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●戦略型脱出サバイバルゲームZoLa メイキング23

●説明ページ

 前作のreabyssは、やっている行動といえば、カードをめくって接続し進んで、ダメージを受けたり回復したり、をするゲームであった。

 単純化するとそれだけの行動であり、プレイしてみれば簡単なルールであった。にも拘らずテキスト量は多く、その為、説明HPの量もかなりページ数となった。

 それを動画にすると、「動画は分かりやすい」とお言葉をいただいたが、裏を返せば説明HPは分かりにくいともいえる。

 ZoLaはreabyssよりも戦略要素があり、その為取れる行動も多い。その全てに個別のテキストが必要な為、まともに記述するととんでもない量になる。

 とんでもない量になった。

 戦略ゲームの為、仔細にわたって説明すべきだし、全てのケースにおいて説明がなければ、おおよそ戦略を立てる事など、無理だからだ。よしんば立てたとして、勘違いがあっては興ざめしてしまう。

 勿論、全て確認できたうえでの勘違いは、大いに結構だと思う。それこそがn戦略的であり、完璧に立てた計画が一瞬の油断で瓦解するのも、また戦略的要素の醍醐味の一つだと思うからだ。

 説明HPには絵を用意して、具体的に説明するよう心掛けた。途中、サーバートラブルでHP自体閲覧不可能となり、慌ててPDF化したところ、116ページという分量になっていた。ある方が「それもう教科書じゃん」という感想を述べられており、それを聞いた時「いや、きちんとレイアウトすれば3分の1にはなると思うし」と考えたが、それでも39ページだと気づいて、考えるのをやめた。




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●戦略型脱出サバイバルゲームZoLa メイキング22

●白打ち

 今回クリアカードは、重ねるという仕様上、印刷面の裏が透けないように、白打ち、というのを行う必要があった。これにより印刷代が上がってしまうが、費用よりもゲーム性をとる事にした。どうしてもこの仕様で遊びたかったのだ。

 白打ちとは、クリア素材に印刷された半透明部分に、裏から白で印刷して、透けるのを防ぎ視認性を高める方法である。

 そしてこれは、通常印刷と全く同じ位置に行うのだが、白色がはみ出る事を避ける為、通常印刷面より、印刷面を内側に小さく指定するひつようがあるのだ。

 だが、今回のクリアカードには、細い線が使われている。それよりさらに細い範囲の印刷を、それもずれる事無く行う必要があるのだ。

 この時、正直「やらかした」と感じていた。印刷はデータ上ずれる事はないが、現実の印刷という行為はアナログ的である。当然、わずかなずれが発生するし、それを完全に無くす事は不可能である。

 にも拘らず、出来上がった製品を確認した時「うわ、マジか」と思わず声に出してしまった。そこには文句のつけようもない、美しい印刷がなされたカードがあったからだ。

 かつて業務で遊技機の印刷を行う工場へ伺わせていただいた事がある。遊技機は認可事業である為、出来上がった製品と実際の製品とに齟齬がないか、販売許可をもらう為のチェック、試験が行われる。

 それは当然各部品の印刷面にも及び、わずかにずれているだけでも、書類と異なる、として試験で落とされてしまう。

 しかし今回の印刷は、そうした企業が大金をかけて行うようなクオリティが、個人の依頼でもなされたという所に、えらく感動したのである。

 これも偏に、萬印堂様のおかげと感謝の気持ちを強く持つと共に、なるべく人にも自分にも優しいデザインを心がけようと、思ったのであった。




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●戦略型脱出サバイバルゲームZoLa メイキング21

●説明書

 今回はルールの記載を、パッケージに記すのではなく、別途専用の説明書を用意する事にした。それはZoLaよりはるかに単純なreabyssですら、パッケージへの記載がぎりぎりであった事からも、そうせざるを得なかった。

 しかし説明書といってもそれを入れるパッケージサイズは32mm×36mm×36mmである。一般的な用紙はまずはいらない。

 そこで、どれくらいのサイズであれば封入可能かを、実際に紙を用意して調べる事にした。ゲームに使用するカードサイズが30mmなので、それを基準とし、どれくらいのサイズを、どのように、何回折れば入るのか、を繰り返し試した。

 すると強引になり過ぎず、それなりの面積を持った用紙で行ける事が確認できた。

 この時点では、まだルール策定中の為、折った厚みとカード枚数から試算して、入れられる説明書は1枚のみであった。だが「いやぁ1枚あれば余裕でしょ」と高をくくっていた。

 ルールが確定し、いよいよ説明書を作り始める。やはり当初の予測通り、余裕であった。

 が、それは勘違いであった。

 説明書のみを読んでプレイしたところ、ポロポロと足りない要素があふれだし、1枚に収まらなくなった。

 「終わった」

 とこの時は思った。

 しかし諦めきれず、どうにかならないかと唸っていると、「あれ? そういえばカード枚数減らしたな」と気づく。そう、減ったカードの厚み分、もう1枚説明書を織り込む事が、可能になっていたのだ。

 「あ、もうこれ、本当に余裕」

 と思ったのもわずかの間。やはり、繰り返しプレイすると必要な記述は増えていき、フォントサイズが小さくなる。さらに増えていき、文字行間が詰まってゆく。さらに増えていき、レイアウトが詰め詰めになる。

 説明文に専用の名称が多いのは、こうなる事態を避けるべく、テキスト量を抑える為であった。

 「~の~にある斜めの状態のカード」と記述するより「SHUにあるスプリットのクルー」とした方が全体的に、減らす事が出来るからだ。

 にもかかわらず、かなりの試行錯誤を繰り返す事になった。一番大変だったかもしれない。




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