●ゲームを作りきる事2
「書く」そして<後で見返してゲーム内容が理解できる>事がゲームを作りきる事だと前回ブログにした。今回はその詳細を説明していきたいと思う。
どのようなゲーム、アイデアにするのかは様々だが、ゲームである以上、明確に目的があり、もしくはそれに準じた達成すべきものがあると思う。全てはそこへ向かって収束していくので、まずそれを「書く」。それも、かなり具体的に「書く」。
例えば分り易く~①ボスを倒す~ゲームの場合、勿論これでもいいのだが、倒した結果まで「書く」べきなのだ。上記の内容をより具体的にした場合、一例だが~②ボスを倒して、お姫様を救い、国に平和をもたらす~としたとしよう。または③~ボスを倒し、仲間4人を救ったが、1人だけ見つからなかった~という場合もあるとしよう。
この時、前述の①②③から受ける印象は、まったく同じだろうか?
①の場合、だいぶたんぱくな印象を与え、物語性は希薄な感じを受けないだろうか。②③はそこに物語性が生まれている。②の場合、よくある設定だがそれだけに、基本的なゲームのベースを思い浮かべやすい。③の場合、仲間という単語と救ったという単語が合わさり、更に人数が具体的に出てくる事で、様々なシチュエーションがそこには起こりえるだろう。
これらは<後で見返してゲーム内容が理解できる>という目的を達成してはいない。しかしながら①②③のどれがより<後で見返してゲーム内容が理解できる>に近いかといえば、やはり③になるだろう。
①はロールプレイングのボスなのか、パズル的な最終目標のボスなのか、固有の1つなのか、複数なのか、そういったものが一切分からず<後で見返してゲーム内容が理解できる>になりえない。
②は何となくロールプレイング的な物だと予想でき、姫救出と国に平和とあるのでその分具体的ではあるが、簡単に想像できる分<後で見返してゲーム内容が理解できる>ではなく、書かなくてもよくある話という事で、逆説的に足りていない。そこにはゲームを作るだけの動機と、作る側の個人的表現欲求も満たされていないのだ。
③はボスの具体性が無く、仲間がどのような仲間なのか、最初から捕まっているのか途中からなのか、そうした具体性もないが、これを目的として「書いた」理由が他の①②よりも強く出ているだろう。もう少し詳細を追ってみると、ボスが何だか不明だが、仲間を救えるという事は、ボスは仲間を殺さない状況であり、人質なのか人柱なのかは分からないが、ボスにとって何かしら必要でありそうした状況から、ボスには人間的な知性がある事が予想できる。勿論、ゲームを作り出そうとしている最中に、そんな事を書いている本人が思っているわけはないが、<後で見返してゲーム内容が理解できる>とはそうした情報の積み重ねが「書かれている」事なのだ。
それ故①②③はそのどれも<後で見返してゲーム内容が理解できる>には足りていないが、③が他より良いとする理由はそこにある。
この内容は、ゲームのつくり方ではなく、ゲームを作りきる事に主眼を置いているので、必ずしも前述のように、目的、目標から「書く」必要はない。先に出だしを「書く」事でも同じ状況を作り出せるからだ。
~④ボスを倒す為に旅に出た~
~⑤攫われたお姫様を救いだせ~
~⑥5人の仲間と個性を生かして世界を救え~
この④⑤⑥であれば、やはり前述と同じような事が言える。
「書く」そして<後で見返してゲーム内容が理解できる>事がゲームを作りきる事とは、具体的な文章にしていく事であり、具体性は次なる具体性を想像させ、作り上げていくゲームの中身を、丈夫に仕上げていく事に繋がる。それは建物でいう、構造と鉄骨と梁であり、そこさえしっかりしていれば建物自体のデザインが奇抜であっても形になり、何より重要な<後で見返してゲーム内容が理解できる>に繋がるのだ。
「書く」そして<後で見返してゲーム内容が理解できる>事がゲームを作りきる事、その中身は「具体的」である事、それが重要となる。
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