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ゲームプレイヤーマン:G7~作例~

●ボードゲーム作り02

 「体験」の為にゲームを作る。

 これが自分にとっての目的なのだが、具体的にはどのようにそれを形にしていくのか?

 reabyssを例に話を進めていくと、このゲームはいわゆるロールプレイングゲームなので、レベルアップしてボスを倒す、というとてもオーソドックスな内容が思いつく。コンピュータゲームであれば幾らでも思いつくし、例が山の様にある。それは複雑な物から初期作品の単純なものまで、まさに千差万別だと思う。

 そこでreabyssはどんなゲームにしたいのか? という事だが、前回「繰り返し遊びたい」としてその「体験」は<ゲームオーバー>といっていた。<ゲームオーバー>とは繰り返し挑戦する動機の一つになると思う。なのでこれを「体験」させたいとしていたのだが、前回も書いた通り、難しいだけではその動機にならない。絶対クリアできないと感じてしまったものに、繰り返し挑戦する人はなかなかいないのではないだろうか。いや、いないわけではないが、それはまた別の話になってしまうだろう。別の人、というべきか。

 そこで考えていたのは「繰り返し遊びたい」という事であった。その為にはある程度、準備が単純な方がいいだろう。コンピュータゲームであってもリトライがしやすいかどうかで、ゲームの評価が変わると思う。まあ、かつてはゲームソフトではなく、ハードの問題で繰り返しのチャレンジがきつい、という事もあったが。

 ボードゲームである以上、準備もすべてプレイヤー自身が行うので、繰返し遊ぶ場合は手間は少ない方がいい。となると一番単純な行動は何か、という事を考えてみた。大抵のボードゲームが何かしらのケースに入っており、そこからカードないしアイテムを取り出して、しかるべき準備を行い、いよいよゲーム開始となる。

 そこで考えた単純な行動とは、カードをケースから取り出す、という内容である。これを行うだけでゲームができるなら、「繰り返し遊びたい」に繋がりやすいのでは、と考えたのだ。

 普段、ゲームを作る際、一言で表せられるキャッチコピーのようなものを自分なりに考えておくのだが、この時のキャッチコピーは「ふたを開けたらすぐダンジョン!」となっていた。

 このキャッチコピーを完全に再現しようとすると、説明書も不要で、いきなり遊べるルールにしようとこの当初は躍起になっていたが、そうはならなかった。何故なら「繰り返し遊びたい」とどうしても合致しない内容になってしまうからだ。勿論、なにがしかやり方はあったのかもしれない。だが、それを作り出す事は出来なかった。

 この時優先すべきは、「繰り返し遊びたい」の方であり、そこから生まれたキャッチコピーではない。これが会社であれば、開発と営業とでもめたりするのかもしれないが、幸い作業をするのは自分一人である。もめる事なく、しかし後ろ指を引かれながらキャッチコピーをあきらめ、「繰り返し遊びたい」と<ゲームオーバー>をベースにルールを決めていく事になる。

 もしこれが変わっていた場合、恐らくこの後も何か思いつくたびに、内容が二転三転してゲームが出来上がってなかったかもしれない。

 この作品で使わない内容はアイデアとしてメモしておき、アイデア出し作業を続ける。「繰り返し遊びたい」と<ゲームオーバー>を「体験」させる為のアイデア出しが、目的である事を間違えないように。



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