●本屋
久しぶりに町の本屋に入った。商業施設に入ってるでもなく、大きな自社ビルでもなく、そういう昔ながらの本屋。限られた空間故品ぞろえに癖が出る、そんな本屋。大きな書店にはない、本の匂いがした。
一通り見終え、特に買うものもなかったが、この懐かしい感じが心地よくて、しばらくうろうろする。広くないのに。その内、どういった心持か、何としてでも1冊買って帰ろうという気になり、一般的購入価値が高い情報誌のコーナーへ行く。安くておいしいお店が載ったような雑誌は無いかと思ったのだ。
無かった。
新書系も好きなので、そちらで知的好奇心の沸く本がないものかと探すも、そもそも新書が無い。その時ふと、早川のコーナーがあるのに気づいた。小さな本棚の、一枠分、二十冊もないくらいのその場所に、SFの本が並んでいた。違うのも並んでいた。早川だし。
そうか、SFか。
好物である。練られた設定の物語や、新鮮なシチュエーション等、思いもよらない物語に出会える、それがSFの醍醐味だと思う。そんな早川SFの五冊程度しかない本の中から、一冊を購入した。久しぶりにわくわくしている。ちゃんと最後まで読み切るのか、そこはミステリーだと思った。